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シェリーというかわいい名前だけど、この独特の香りと辛口のため苦手な人も多い。
どこか自分に似ていると、馴染みのバーテンダーに言われたことが気に入って玲子はこのフィーノを愛飲するようになった。
この部屋は27階にあり、北向きの窓からは神戸の街並のイルミネーションが一望出来る。
「玲子」
バスタオルだけを身に纏った彼女を、背後の男の声が呼んだ。
ゆったりと肩元辺りをカールした髪が回転し、ベッドにいる男を見た。
男は裸体の上半身を起こし煙草を燻らしていた。
「玲子、こっちに来てくれ」
と、男は玲子を手招きした。
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