ボタン

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ーーあとで店長に聞こう。 今はそんなことはどうでもいい、 と店員呼び出しボタンを押す太郎。 しかし、いくら押せども助けの店員はやってこない。 ーーどうなってんだ? 苛立ちを募らせる客ども。 その表情は次第に険しくなっていく。 もしかしたら、もう新しいボタンを使う運用になっているのだろうか。 追い詰められた太郎は ーー怒られたらあとで謝ればいい。 と、新しいボタンを押すことを決めた。 かちゃりと開かれるボタンのカバー。 震える太郎の指先。 停滞する客ども。 そして、新しいボタンは押し込まれた。
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