10話 愛人

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えーっと、基樹に足絡める!私がシーツを足先でひっかける!基樹の背中が丸くなって、キスする感じにして終わり!! 頭入ってる!大丈夫! 音は録らないから、途中指示あるかもとの事!よし! 基樹、ベッドに入ってきた。 うわ、久しぶり過ぎて泣けそう。……抱き締めたい。 「はい、用意!スタート!」 思いきり抱き締められた!!待って!足絡めるんだよ!! ぐぎぎぎぎーーっ!! 無理矢理、基樹に足絡めた。このバカ!説明聞いてないのか! で、シーツを足でひっかける……動けん!抱き締めるな!!股の間に足入れんな! ぐががががががーーっ!! 足つるだろうが!!……よし、ひっかけるっと。 で、背中丸め……んんう!!本当にキスするバカいるか!! 「んう、!」 指示飛んだ! 「そのまま基樹くんの背中に腕回して!」 その前に、こいつ、立ってる!!立ってるからな!! 本当に本当にキスしてるからなーっ!! 腕回して……抱き締めるのか。 懐かしくてやだな。 キスをいい加減にしろやーーっっ!! なんとか腕回して、基樹を抱き締めた。 ……ヤバイこのままでいたい。キスされて、このまま抱き締め合ってたい。 「はい!カットー!!」 監督ーーっっ!私のせいじゃありませーん。この人、本当にキスしてて、立ってまーす!! 「基樹くん、カット…だよ?」 田辺さんの声した。 「あらま、相手、香織ちゃんかあ。…監督、オッケーなら、この2人放っておいて。そういう間柄だから」 「は?……よくわからんけど、オッケーです!!」 バタバタ機材片付ける音してる。 「……香織、香織……」 愛撫始めやがったー!! 「基樹、ここ、撮影現場!人居るの!」 「……いいよ。みんな出るまでこうしてろ。…どうせ、俺、動けんし」 そりゃ、そうだろな。思いきり立ってるもんな。
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