フーゾク嬢の独り言

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 んー、今日は出勤したくないなぁ。  あたしは、なかなか布団から出られないでいる。休んじゃおっかなぁ。でも、休むとお金が入って来ないしなぁ。って、毎日出勤時間が近づいてくると行きたい、行かないとのせめぎ合いが繰り広げられあたしの中の葛藤はひたすら続くのだ。  行くまでが、腰が重い。行ってしまえば、それはそれでこなせる。 「ハァー」  狭いワンルームだ。洋服や雑誌、灰皿に飲みかけのオレンジジュース。カーテンなんてものをいつ開けたのかさえも思い出せないほど記憶が曖昧である。  昨夜は一緒のお店のゆうちゃんと、隣のおでん屋さんで飲み過ぎてしまい、どうやって帰ってきたのかも曖昧だ。それも裸体で寝ていたし。ゆうちゃんはお酒が強いから参ってしまうが、唯一愚痴を吐露出来る同胞である。    あたしは箱ヘル(店舗型ヘルス)嬢だ。  お店は繁華街にあり、自転車で通勤をしている。なので、昨夜は飲酒運転だ。  結構年齢もいっているが、若く見えるため、パネルマジックによって、25歳とうたっている。実年齢は31歳。なんだろう。30歳を越えたら、急に老け込んだ感じがするのは気のせいではない。 「えりかちゃんも童顔だからね」  ゆうちゃんはそういうが、いやいや、あなたも十分に童顔ですよ、と、言い返した。 「でもねぇ、」  ごぼう巻きをつつきながら、ゆうちゃんは一口大くらいにごぼう巻きを割って口の中に放り込みながら口を開いた。モゴモゴとさせて。 「30歳でさ、独身で、箱ヘル嬢とかやばーない?」  あちゃー、それをいうか! あたしなど毎日思っていることだから、 「そうね」  と、白半平をつつきながら応えた。  風俗という仕事を非難しているわけではない。ただ、お金が欲しいという瑣末な出来心で風俗嬢になった。24歳のときだ。若いときは無知だったし、若いだけで許され、優遇をされた。おお、これはいける。嫌なお客さんもいたが、目をとじてしまえばそれで良かったし、お客さんも泣き真似をすれば無理強いはしなかった。  そうこうしているうちに、31歳。えー! 自分でも驚きだ。
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