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「Twitterしてないよ、あたし」
え?そうなんだぁーね。
んー。唸ってはみてもよくわからない。
あたしは頭を抱えた。ゆうちゃんの夢は小説家になることだという。
「ゆうちゃん、きっとなれるよ、きっとね」
根拠もないが口がそう言っていた。
あたしの夢。そうね。
「嫁に行きたいわ」
ゆうちゃんは、ギョッとした顔になり、目も丸くした。
「やだぁ、ウケるぅ」
「まずは相手ね」
風俗嬢って男性と関わりが最も深い仕事で出会いがあると思うけれど、その実、ちっともない。
「バイトの大野は?イケメンじゃん」
ヒソヒソ話しは永遠に続きそうだけれど、あたしたちはまだ待機終了まであと、4時間もある。ヘルスの仕事しかしたことはないけれど、デリヘルとかもしてみたいとも思ったりする。
フフフ。
何?笑ってんの? ゆうちゃんの心の声が手に取るように聞こえてくる。
性風俗店が軒並み連なるビルの中の小さな待機室。
あたしは至極ちっぽけに感じた。
「ゆうちゃん、えりちゃん、1番と3番の部屋ね、用意して!」
ママさんの威勢のいい声とともに、あたしとゆうちゃんは一緒のタイミングで立ち上がった。
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