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「不幸な人を歓迎するわけじゃないけど、それを利用しなければ、僕たちの存在を知らしめて奴らを誘いだすことはできない。それに、世間にも能力者に対する免疫をつけていかないと、いざ事実が世に出てもただの絵空事で終わってしまう」
「わかってる。人間は自分の理解を超えると、とっさに心を閉じてしまう生き物だから」
「そういうことだ。公共の電波は大いに利用させてもらう。体調には万全をきすように」
三カ月早く生まれただけの、恭平の保護者ぶった口調はいまに始まったことではない。
それにむっとした晃実は反撃しようと、恭平が嫌がっている呼び方で了解の意を示す。
「わかりました。お兄さま」
案の定、恭平はおもしろくないといったふうに顔をしかめた。
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