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しかし、もう限界だ――というよりは、機は熟した。
これ以上に時間を置いてもこっちの身に危険が迫るだけ、そして、悲劇が積み重なるだけで意味はない。
嘆き哀しみながら消えていった六つの魂は、ふたりにとってあまりにも重い。
晃実は首を横に振った。
「自然からの断罪は受ける覚悟ができてるつもり」
「僕らは自然界を敵にまわすかもしれない。けど、奴らは僕ら以上のことを犯し続けている。逃げまわるのも、もうたくさんだ」
これはまだほんの序の口の段階で、迷いがあってはいけない。
それを肝に銘じながら、有り余る傷を負うことを覚悟でふたりは突き進むしかない。
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