第2話 奇跡

4/13
前へ
/900ページ
次へ
いままでもそうだ。 幼いころからずっと心の傷は消えることなく、異能力者ゆえにいつまでもはっきりと記憶に残っている。 それに押し潰されまいと、繊細なはずの心を無理やりに強くしてきたふたりは、そうならなければ狂っていた。 休息の場などどこにもなかった。 この時期を乗り越えれば、その時期をうまく利用すれば、あるいは自由を得ることができるかもしれない。 一つだけ確かなことは、何もしなければ何も変わらないというあたりまえのことだけだ。 「なら、早く助けてあげましょ」
/900ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加