113人が本棚に入れています
本棚に追加
晃実と恭平はともに、まず死者の――正確には心肺が機能していない人の再生に当たる。
死者はほとんどが窒息死だ。
晃実の能力をもってしても蘇生は心停止後、二十分前後までに限られる。
早いほど簡単にすみ、限時間をすぎると蘇生はまず不可能だ。
恭平がふさがれた気道を開放する一方で、晃実は心臓部分に手を当て、心臓マッサージに当たる再生治療を施す。
そうしている間に、救急車などのサイレンが近づいた。
ふたりが極めて早く対処したために思いのほか、蘇生が必要なのは五人という人数ですんだ。
最初のコメントを投稿しよう!