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このなかでいちばん厄介なのは晃実だ。
それまで、それが粋だと思っていた雄士は考えをあらためた。
まあいい。
あの感覚のあとの様子からすると、晃実がこれからもそれを本気で実行するのか疑問でもあるし、少なくとも粋からの攻撃事由は一つ減った。
雄士は肩をすくめると、晃実をじっと見つめた。
それはそれとして、たまには薬も必要だろう。
雄士の口もとがにやりと笑みに歪む。
「……何?」
「けど夜中は怖がってたみたいだけどな……っていうよりは……恥ずかしい、か?」
雄士の思わぬ攻撃に、晃実は口を開きかけ、またすぐに閉じた。
意地悪だよ。
困惑したくちびるがかすかにその言葉をかたどった。
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