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「何をやったんですか?」
粋が口を挟んだ。
「男と女が一つのベッドに入ればやることはなんだ?」
「そういうことですか」
粋は平然と応じ、これまでと打って変わって余裕をかます雄士を窺うように見やった。
「粋、違うから! 説明するよっ」
「べつにいいですよ。だいたいの見当はついていますから」
「……見当ついてるっ……て?」
晃実が惚ける傍らで、粋は確信に満ちた視線を雄士に送る。
「あなたは記憶を取り戻したんですね」
雄士は訝しく粋を見返した。
「粋! どうしてそれ――」
「ボクの得意技ですよ。晃実が再生してくれたとき、晃実の思考を探査して経緯は大方つかんでましたから。まあ昨日のような突発的なのはともかく、ボクに隠し事をしようと思ってもそれは無理ですから」
粋はきっぱりと云いきった。
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