第7話 辻と褄

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「それで、あなたはどこまで知ったんですか?」 粋は雄士に向かい、穿鑿(せんさく)した眼差しを向けた。 「およそのことは」 「およそ、ねぇ」 「何が云いたい?」 「覚悟はあるのかと思っただけです」 「……おまえは何を知ってる?」 雄士は目を細め、半ば睨みつけて粋を量るように見やった。 「何も知りませんよ。経緯はわかりませんが……噛み合わせているだけです」 疾しいことはないと主張するかわりに粋は肩をすくめた。 何かわかるかもしれないと、粋の答えに期待していた晃実はがっかりと肩を落とす。 ちょうどそのとき、めったに使うことのない携帯電話が、リビングにある空っぽの書棚のなかでカタカタと音を立てた。 「たぶん、先生」 晃実はつぶやいて書棚のところへ行くと、引き出しのなかから携帯電話を取りだす。 画面を見ると、思ったとおり先生からだ。
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