この男、興味無し

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「そして……ここが理事長室です。 アンの叔父様がお待ちですから、 中で寮の説明を受けてください。 荷解きなどがあるでしょうし、 私はこの後仕事があるのでアンにご一緒できません。 今夜、寮付きのレストランでお会いしませんか?」 ハルはいろんなところに寄って説明してくれた。 俺が飛び越えた門は内門で、 ホントは正門があるんだけど、 俺のために開けてあったとか。 内門の真ん前の茂みはただの飾りじゃなくて、 まあるく中のベンチを囲むように出来てるとか。 校舎は築何年、 俺の叔父さんが俺のお祖父ちゃんから引き継いで理事長になってもう何年。 ハルのいる生徒会役員になるのは立候補制だけど、 その時の会長役が篩い落としていくから何人かは決まってないとか。 多い時は20人いて、 多すぎて統率出来なくなると思って2つに分かれたのが風紀委員会と生徒会だとか。 生徒会や何人かの生徒には親衛隊っていう奴らがいるんだけど、 親衛隊持ちの人に近づきすぎて制裁っていう私刑をする奴らもいて残念だとか。 今の親衛隊の長が賢いから親衛隊は心配しなくていいし味方だけど、 親衛隊のふりをする生徒達の暴走がたまにあるとか。 親衛隊なんか、 作らなけりゃいーのに。 そっか、 ハルは優しいから元のルールを正せずに辛い思いしてるんだな。 俺が来たからには、 この学園、 改革してやるよ! そん時には、 ハルの親友にしてもらうんだ。 親友になるには、 友達を救ってやんなきゃいけないもんな!! あと、 ホモはダメだ。 俺の友達をそんな目で見るやつは、 絶対に許さない。 ……俺を好きになるなら別にいいけど。 キレイだったらいい、 男でも相手してやんなくもない。 抱かれるなんて、 信じらんない。 俺は、 言う通りにならないやつは嫌いなんだ。 喋ってるのを遮られるのも嫌いだ。 「いいぞ! ハルは俺のこと大好きだもんな!! Rain教えてやったんだから、 終わったら連絡しろよな!!!」 本当は一々大声出すのダルいけど、 遮られないようにするためだから、 仕方ない。
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