この男、興味無し

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「やっべえ約束の時間に遅れる!! てか門ジャマ!!! 飛び越えるしかねえな!!!!」 飛び越えるって、 この門をですか?!! 突然聞こえた声にギョッとする。 声のした方を見れば、 今にも跳ぼうとする理事長の甥らしき人物。 この門の上部分には無数の針が彫刻のように並んでいる。 怪我でもしたら理事長に何と言われることか!! 「やめなさい!何を……ッ!!」 息をのんだ。 遠いところから全力疾走していた気持ち悪い格好の彼が、 見事な高跳びで2メートル程の内門を越えてきた。 さらに、火の打ち所のない華麗な着地。 私に気付いた彼が声をかけてくる。 「悪い! 人がいるのに気付かなかった、 ぶつかんなかったか?!」 「い、いえ……見事な運動神経ですね。 気に入りました。 初めまして、 王堂 安智-おうどう あんち-くん。 私はこの学園の生徒会副会長を務めています、 花陽院 春香-かよういん はるか-と申します」 「そっか!ハルな!! 俺のことはアンって呼んでくれよな!!!」 「ありがとうございます、アン」 「ハル、お前、笑顔ヘンだぞ?! 俺の前では無理に笑わなくたっていーんだからな!!!」 ……褒めていただいたとっておきの微笑みでしたのに。 でも、そうですね。 キツいと言われる性格から敬遠されがちなことに遠慮して、 微笑みを浮かべることを常に自分に強要していましたが、 本当はありのままの自分を受け入れて欲しかったのです。 見守ってくれる親衛隊や生徒会の人たちにも優しさを感じたけれど、 本当は、自分は彼のようにまっすぐ受け入れて欲しかったのかもしれません。 アンは、私の恩人ですね… ……あの人は、違う言い方をしましたが。 人物プロフィール No.1 副会長 裏ボス No.2 王道転校生 ???
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