隣の芝生は青く見える

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「久遠のクラス、どう?」  今度は素直な質問だ。私は正直まだ自分のクラスに馴染めないでいた。地元が違う者同士が集まって出来たクラス。成績が同じくらいってだけで作られたクラス。  地元が違うだけでもうなにかが違った。それを新鮮に捉えられたらとても楽しいはずなのに、私は毎日頑張ってしまっている。  頑張って、少なくとも嫌われない子であろうと気を張っていた。 「まぁ、普通かな」 「普通ってなに?」 「可もなく不可もなくってことだ」 「気遣わない?」 「たまごは使ってるんか?」 「うん。まぁ」 「疲れるんか?」 「……うん。まぁ」  久遠が一度私を見た。私はその時どんな顔をしていたんだろう? 久遠はフッと笑うとまた視線を元に戻す。
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