第1章 受験勉強は、ほどほどに

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「あのね。我慢することが一番迷惑なの。イヤならイヤって伝えた方がいいよ。秋永先輩は、マキのワガママを受けとめることができるオトコだと思うけどな」 仁美がそう言って食べ終わったお弁当箱をしまうと、春海は首を傾げて、 「そっかなぁ。秋永先輩、我が儘とか嫌いなタイプだと思うよ~」 とニヤニヤ笑って言うと、仁美はギロッと春海を睨みつけた。春海はメデューサでも見たみたいに、固く凍り付いていた。 「じょ、ジョーダンだよ~!」 春海は苦笑いになってそう言いながら私を見ると、私は唇を尖らせてフンッとそっぽを向いた。 「薄情者!」 「マッキーてばー!」 春海が私の腕に絡まってすり寄って来る。私はそんな春海を見て思わず吹き出すと、 「春海は葵と遠距離になったらどうするの?」 と尋ねると、春海は頭を横に振って、 「即、別れる」 と言い切った。
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