第1章 受験勉強は、ほどほどに

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森尾先生はすぐにまた前に向き直り、あたしを睨むと、 「麻季ちゃん~~~~」 と小声で言いながらあたしを指差すと、あたしはプイッとそっぽを向いた。 「ちょっと、こーい」 「うぇっ?!」 森尾先生はあたしの腕を掴んで、廊下に出て行くと、クラスメイトたちはあたしたちの背中を見送っていたけれど、多分みんな、同じことを思っているに違いない。 「麻里さんのことか!」 みんな、そう呟いて顔を見合わせていると、国仲美弥だけが不思議そうにみんなの顔を見回している。 「麻季ちゃん。麻里さん、電話に出てくれないんだ。本当に誤解なんだよ」 森尾先生があたしの肩を掴んで真剣に言うと、あたしは頭を横に振って、 「あたしに言われても知んないよぉ」 と唇を尖らせて言うと、森尾先生は涙目になっている。
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