第1章 受験勉強は、ほどほどに

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「ありがとう、容。なんでここにいるの?」 あたしは容の隣に並んで尋ねると、容はあたしを見て、 「暇だから」 と答えると、あたしは思わず吹き出した。 「暇って…。クラスはなんの出しものやるの?」 「お化け屋敷」 「うわっ…!絶対無理」 あたしはそう言って笑いながら一緒に教室に入ると、クラスメイトたちは容を見て、 「松嶋先輩!」 と言って笑って容を迎え入れた。何故か、容は人気者だ。隼人みたいにちょーイケメンで近寄りがたい存在でもなく、葵みたいに硬いイメージでもない。多分近寄りやすくて話しやすいタイプ。悪く言えばチャラいんだけど、底根からチャラい人でもない。 容は微笑みながら、みんなの看板作りに身を乗り出して、 「完成度高いな、これ。俺も手伝ってイイ?」 と尋ねると、クラスメイトの女子たちは頷いて、 「嬉しいです~!!」 と声を上げてみんなが笑いあった。
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