第1章 受験勉強は、ほどほどに

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みんなで看板の色を塗りながら、このクラスに馴染んでいる容を見ていると、仁美が私の隣に来た。 「結局、何しに来たの?容先輩」 「暇だからって言ってたよ」 「暇…ねぇ」 なんだか納得していない口調で、仁美は容の横顔を見つめている。 「もしかして…」 「え?」 「ううん。なんでもないわ」 仁美はにっこりと笑って答えると、春海が駆け寄って来た。 「何やってんの?早くはやく!!タレ、足りなくなっちゃうでしょ?!」 「はーい」 あたしたちはまた、お団子のたれ作りに戻ると、あたしは振り向いて容を見てみた。容はみんなと溶け込んで笑いあっている。なんだかすごく楽しそうだ。もしかしたら、…このクラスに好きな子でもいるのかな?
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