第1章 受験勉強は、ほどほどに

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でも、現生徒会長の榛原幸太先輩は葵と容と同じクラスで、双子と仲もいいらしい。だから、よく頼みごとをされるんだって。しかも、容はうまく逃げるんだけど、葵は捕まることが多い。 「ねぇ、マッキー」 春海はお団子を手のひらで(ビニール手袋ははめてるけど)丸めながら、チラッと私を見た。 「秋永センパイとは、どこまでしたの?」 「えっ?!!!」 突然そんなことを聞かれて、私は思わず赤面してまるめたお団子を一つ落としてしまった。すると、それを聞いていたクラスメイトたちも私たちに押し寄せてきて、 「聞きたい聞きたい!!」 「まだしてないの??」 「いや、もう、したよね?!」 「秋永センパイ、アノ時どんな感じなの?!」 みんなが勝手にそう行って騒ぎ始めると、私は両耳を押さえて、 「ウワーーーーッ!!」 と叫んで逃げようとすると、そこにどこからともなく、 「元生徒会長の妄想はしてはいけないと、あれほど言ってあるはずですよ!!皆さん!!!」 と制服にエプロン姿の富原しずねが仁王立ちで現れた。
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