第1章 受験勉強は、ほどほどに

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私は顔を真っ赤に火照らせて振り向き、みんなも同時に富原しずねを見ると、富原しずねはフンッと鼻息を荒くして、 「麻季さん!!私だけにこっそり教えなさい!」 と言ってニコッと微笑むと、容がそんな富原さんの背後に回り羽交い締めにして、 「はい、あんたは一番関係ないから出てって、出てって」 と言って教室から富原さんを追い出すと、自分だけ教室にすぐ戻りドアを閉めて鍵をかけた。クラスのみんなは、そんな富原さんを見て大笑いしている。 「のけものにしないでよーーーーっ!!」 富原さんは泣きべそかいて、叫んでドアを拳で叩いている。 「まったくこいつは。落とし穴とかネズリ取りとか仕掛けとかないと駄目だな!!」 容が腕を組んで怒って言うと、私はそんな容の隣に歩いて行き、容を見上げた。 「容だって、クラスも学年も違うくせに」 「俺はいいんだよ。隼人から頼まれてるし、このクラスのみんなに好かれてるから。なっ??」
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