第1章 受験勉強は、ほどほどに

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「隼人?どうした?今日はもう塾だろ?」 電話に出た容が言うと、私は思わず容に歩み寄り、瞳をキラキラ輝かせて容の顔を覗き込んだ。 電話の相手が隼人なら、私に代わってくれるよね? そう思いながら、容の袖をギュッと掴むと、容は隼人と話しながらチラッと私を見た。 「ふぅん。わかった。…うん。で?…明日は隼人も学園祭来るだろ?…来れない?マキちゃん、泣いちゃうぞ。浮気すっぞ」 容はチラチラ私を見ながら楽しそうに笑って言うと、私は涙ぐんで頭を横にブンブン振りながら容を見つめている。と、容は、 「ブハッ!!」 と吹き出して、声を上げて笑った。 「あっはっはっはっ!!!」 「?!!!」 クラスメイトたちも、お団子を食べながら不思議そうに容を見ている。
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