第1章 受験勉強は、ほどほどに

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「受験勉強も、ほどほどにしないとな、隼人!」 そう言って、容は携帯電話を私に渡してくれると、私は思わず笑顔になって携帯電話を耳に当てた。 「隼人っ!!!」 私は元気に隼人の名前を呼ぶと、ため息交じりの隼人の声が携帯電話から聞こえてきた。 「俺がいなくても、楽しんでるみたいだな、麻季」 「そんなことないよ!隼人、明日は学園祭、一緒に回れる?」 「うーん。塾で小テストやってくれるっていうから、実力を確認するためにもやりたいんだよね」 隼人が真面目な声で言うと、私はキュン…と胸が締め付けられた。 「…そっか…。それじゃ…しょうがない…よね」 「どうしてもっていうなら、お前の方を優先するよ」 「うっ…」 私はそう言うの、苦手だよ。我儘って、言っていいの??仁美は、その方がいい、なんて言うけど。
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