第1章 受験勉強は、ほどほどに

3/25
33人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
11月に入ると、3年生たちはすっかり受験モードでピリピリした空気が漂っていた。隼人もさすがに勉強に集中すると言って、塾に通うようになって最近は一緒に帰っていない。 寂しい。 と思いつつも、仁美と春海と遊んで帰ったり、喫茶店でバイトも続けているから、現状もなかなか楽しかったりもする。 バイト先の喫茶店の店長ヨシローさんは相変わらず軽くてチャラいけど、そんなに悪い人には思えない今日この頃(詳しくはシーズン1を読んでね)。バイトの帰りは、隼人の親友(?)で双子の(ヨウ)が隼人の代わりに送ってくれる。容の双子の片割れの葵は、私の親友の春海(はるみ)と付き合ってるから、さすがに私を送り迎えするのは気が引けると思うし、それは私も…。容と葵は私より一つ年上で同じ高校に通っている。 というわけで、今日も容に送られて帰ってきた。玄関に着くと、隣の家の2階の部屋から、 「容、麻季!こっち来いよ!!」 と隼人が声をかけてきた。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!