第1章 受験勉強は、ほどほどに

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私と容は、一緒に隼人の家にあがった。隼人のお母さんは仕事でいないようだ。隼人は母子家庭。おばさんは社長さんで忙しいからあちこち動き回っている。 玄関で靴を脱いでスリッパを履くと、容は私の後ろでスリッパも履かずにあくびをして家に上がった。遅くまでゲームでもしていたのか、かなり眠そう。そんなに眠いなら送迎とか、いいのにね。頼まれたら、なんやかんやで受けちゃう容は、心根は優しいんだろうな。隼人が2階からタンタンタンと降りてきて、 「腹減ったんだよね。麻季、なんか作って」 と肩を自分で揉みながら言うと、私は唇を尖らせて隼人を睨みつけた。 「私より料理うまいくせに」 「そんなことないよ。麻季の作るオムライスは絶品だぜ」 隼人がにっこり微笑んで言うので、なんだか嬉しくなってしまった。←単純 「ご飯はあるの?」 「うん。ご飯だけは炊いといた。容も食ってけよ」 「あ、じゃあ遠慮なく」 「即答!容って、遠慮しない人よね」 私が言うと、容は頷いてニコニコ愛想よく笑っている。そうして話しながら居間に入って、容と隼人はソファに並んで座り何やら楽しそうに話し始めた。 私は、キッチンカウンターに入って、大きな冷蔵庫を開けて卵を確認。
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