第1章 受験勉強は、ほどほどに

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隼人にキスされると、頭の中は真っ白になる。 なんにも考えられない。 なかなかデートもできなかったし、話す時間もなかったけど、会いたい、なんてワガママは言えないと思って、我慢してた。 でも、ほんとは会いたかった。 触れたかった。 キス、したかったよ。 そんな素直な気持ちが溢れてくる。隼人のキスって、素直にさせてくれる魔法のキスだ。唇がゆっくりと離れると、隼人は肩をグッと抱き寄せて、 「何か言うことは?」 と聞いてくる。私はそんな隼人を見つめて、 「もっかいキスしてくれたら」 と言うと、隼人は少し驚いて私を見つめると、 「かわいい!!」 と嬉しそうに笑って、またキスをしてくれた。結局、私も、そんな隼人にメロメロなんだよね。 私たちはそのあと、隼人の部屋に小1時間篭りました。 何をしたかは、もう、言うまでもないよね。 * 学校のお昼休みで、私と春海、仁美の3人は屋上でランチをとっていた。 「葵と容、別の大学に行くの?」 私は驚いて春海を見て言うと、春海は頷いておにぎりにかじりついた。 「容さん、専門学校行くみたいよ」 「専門学校?なんの?」 「さあ。葵にも言ってないみたい。葵、すごく心配 してるんだ。てっきり同じ大学に行くと思ってたから」
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