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結局、来てしまった…。
ツイてないことに、どういうわけか今日はそんなに忙しくもなく、
亜佐美にウソをついてまで、欠席とは言えなかった。
「あー!花音!こっち、こっち!」
結婚式の二次会でもできそうな、おしゃれなレストランが、会場だった。
受付に座った亜佐美が、大きく手招きしている。
「よかったぁ、来てくれて!仕事大丈夫だった?」
「なんとかね。
それよりここ、ステキなお店だねぇ」
「でしょ?料理もすっごくおいしいんだよ」
嬉しそうに笑う亜佐美。
その向こうに、談笑するクラスメイト達が見えた。
「うわぁ、久しぶり!」
「仕事、何やってるの?」
「結婚したんだー?」
あちこちで、再会を懐かしむ声があがっている。
みんな、大人になってるなあ。
あれから15年経ってるんだし、成長してて当たり前なのに、
なんか、すごく不思議な気分。
多少、太ったり痩せたり、頭が薄くなってたり?
みんながみんな、当時とそのまま同じってわけにはいかないけど、
ふとしたしぐさや表情に、面影を見つけては、嬉しくなる。
時の流れを感じてしみじみしていると、会場内がふいにざわつき始める。
みんなの視線をたどったその先に、スーツ姿の男性の一団がいた。
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