第1章 再会

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「ほら、あのコってさ、いつも二人の傍にくっついてたコだよね?」 「ああ。幼馴染とか言ってたけど、ホントにそれだけ?」 「いいなー、私もイケメンに挟まれてみたいわ」 ああ、また始まった。 周りから聞こえてくるヒソヒソ声。 聞き覚えがあるフレーズばかりで、懐かしささえ覚える。 いくつになっても、女の嫉妬ほどコワイものはない。 でも、私だって、あの頃とは違う。 こういうときの対処法だって、少しは学んだつもりだ。 それは! さわらぬ神に祟りなし! 逃げるが勝ち! 要は、関わらなきゃいーのよ。 とりあえず化粧室に避難して、やり過ごそうか。 「ゴメン、私、」 「じゃあ、また後で」 言いかけた言葉は、将生の声に遮られてしまった。 拍子抜けしていると、二人が両脇をすり抜けて行く。 将生は私の肩をぽんと叩いて、 尚哉は思いっきりウィンクして。 そのまま会場の中央へと進むと、 遠巻きに見ていた女性陣が、あっという間に取り囲み、 何重もの輪を作った。
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