オイラの縄張り

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 お店で買い物をした経験はなくとも、賑やかで常に明かりが灯る場所が好きだった。  駐車場の隅でたむろするのが心地よかった。  まぁ、別に大回りして国道側から入れば良いのだが、それでは畑に緊急避難できないし、何よりオイラの存在を拒否するフェンスに恐れを成した。  コンビニに取って、オイラは迷惑でしかないのだろうか?  そんな事を思っていると、駐車場で異変が起きる。赤いSUVが、バックで駐車枠に入る。  オイラは、勢いを付け過ぎな気がしていた。  案の定、車止めを乗り越え、フェンスに激突する。フェンスの支柱が曲がり、金網の一部が破れた。  赤いSUVは、犯罪現場から慌てて逃走する。  一部始終を見ていたオイラは、唖然としていた。  SUVの行動は犯罪行為であり、コンビニに対するテロかも知れない。  はたまた、単なる事故の可能性もある。アクセルとブレーキを間違えた? とかね。  だけど、オイラは涙が出てきた。現状を打破する救世主が現れた気がしていた。  故意にしろ事故にしろ、とても嬉しい展開で、赤いあん畜生に感謝だぜ!  フェンスの破損部分から、オイラは駐車場に入っていた。久しぶりにアスファルトの感触を確かめる。 「ニャニャニャニャ~~ゴー!《オイラのテリトリーに戻ったぞ》」
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