一杯のコーヒー

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あまり長引かせるとコーヒーが冷めてしまうので極力短くまとめられるように努力はしてみる。 少なくとももう火傷することはない程度の温度である。 そもそもこの真夏にホットコーヒーを飲んでいる私は何を思っているのだろうか。 真夏でも心が寒いことはよくあるが、物理現象には物理現象で対抗出来るが精神的なものに対して物理攻撃は効果が薄い。 結局、ただ汗が出るだけに終わる。 なんて無駄な人生だったろう。 なんて無意味な人間だったろう。 作り上げてきたものはくだらないものばかり。 自信を持って作り上げたものが誰にも知られることがないならそれを作り上げる意味があるのかどうか。 世界に一人だけになった時にそれでも何かを作り続けているだろうか。 生き続けているだろうか。 ただただ虚無に溺れる。 何をしてもしなくても変わらないと分かってしまった時にそれでも己の為に動き続けることが叶うのだろうか。 誰も聞いてない。
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