きっかけ

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 制服から部屋着に着替えた後、わたしは宿題より先に、パソコンを立ち上げた。イラスト投稿専門のSNS【dreWing】へログインする。次に、スキャナーで取り込んだ鉛筆描きの自作のイラストを見る。同じ物を二重なってないか、一度にアップロードできる容量を超えてないかを確認して、【dreWing】へ投稿した。  投稿してから1分後、さっそく【リアクション】がきた。 ―――――――――――――――――――――――― 頼んでいたイラストないじゃん いつ描いてくれんの? ――――――――――――――――――――――――  全然知らない奴からの図々しい言葉。舌打ちしたら、違うアカウントからの【リアクション】が来た。 ―――――――――――――――――――――――― 4枚目のイラ、ナサリー様とライム様? もっと似せて描いてよね! 次は、ライム様とライト様描いてね! ――――――――――――――――――――――――  知らないアカウント、知らないキャラ名。  あんた誰? と打ってやりたいのを堪え、わたしはマウスを動かす。そいつらのアカウントから、わたしのアカウントへ【リアクション】できないようにする。  最近、何か投稿するたびに、十人に一人の割合で「~のイラスト描いて!」という【リアクション】がくる。全然、交流のなかった人から。  プロフィール欄に、「リクエストは受け付けてません。好きなものを好きなように、好き勝手描いてます」と書いてあるのに。  『シークレットBOX』を見ると、フレンド登録したIsuno3さんから、メッセージが届いていた。
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