おねだり

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―――――――――――――――――――――――――――――――――― そのグループ、ゎたしもFANなんです! チケット、譲ってください! ゎたし学生なんで、学割で! ―――――――――――――――――――――――――――――――――― アクセ、ステキですね! 学割で売ってください! ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ぁなたのイラスト、とってもヵヮィィですね 体育祭のTシャツのデザインに使いますね☆ ――――――――――――――――――――――――――――――――――  気になって、ねだられた人とのやりとりまで見てしまった。丁寧だったり激怒していたりと、さまざまだったが、みんなキチンと断っていた。しかし、彼女達は、断られていることを理解していないのか、予想斜め上の返信をしていた。結構長く続く攻防戦は、見ているだけで疲れる。  繰り返されていたのは「自分は学生だ!」という主張。そっちは大人でこっちは学生なんだから、融通利かせてよ! という理屈らしい。  じゃあお前ら、自分が大人になったら学生にそこまでの融通利かせられるのかよ。  と、思わず画面に突っ込みたくなるほど、『学生』が特権であるようにふるまっていた。同じ十代として、わたしは居た堪れなくなってきた。  悪気はない。むしろ、面の皮が有り余っているからこその行為なんだろうな。
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