210人が本棚に入れています
本棚に追加
「私はウーロン茶にします」
私は酔うと眠たくなってしまうため、アルコールは飲まないことにしている。
しかし、こういう場なので“飲もうよ”と無理に薦められて困ることも多い。
「了解、俺はどうしようかな」
しかし彼はあっさりとした様子だった。
私の中でほんの少し、彼の印象が上がる。
無理強いしない人は好きだ。
「俺もウーロン茶にしようかな」
それは須賀原さんもウーロン茶にすると言うので、彼も飲めない人なのだと思った。
しかし私の前に座る男性は「え、須賀原飲まないの?」と言って目を大きくする。
「飲まれないんですか?」
みなみも同じことを言った。
「あぁ、二人は飲みなよ」
もしかすると、飲めない私に気を遣って合わせてくれたのだろうか。
目の前の男性の反応を見ると須賀原さんが普段飲む人だということが伝わる。
しかし口出しができずにいた。
そのため、私と須賀原さんはウーロン茶でみなみと目の前の男性の田辺さんはビールを注文した。
ドリンクが届くまで目の前の男性も自己紹介をしてくれた。名は田辺修也(たなべ しゅうや)だという。田辺さんも須賀原さんと同じ会社で同期らしかった。
田辺さんは私を見つめ「南田さんとは短大の時からの友人なんだって?」と言った。
最初のコメントを投稿しよう!