ブーゲンビリア

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彼女は昔から柔らかな空気を纏った可愛らしい容姿でいたが、学生のころより格段と綺麗になっていた。 仕事中であるのかフェミニン風なOLの装いでいる彼女と比べ、私はシャツにジーンズにエプロン姿というスタイルで少し恥ずかしい。 久しぶりに会う友人だけに、もっとよい格好で会いたかった、と思ってしまう。 「胡桃ちゃん、ここで働いてたんだね。たまに来るけど知らなかった、いつからいるの?」 「三年半前から働いてるよ。短大のときにバイトしはじめてそのままここに就職したの」 「すごい。そっか長いんだね、ベテランさんだ」 彼女はふんわりと柔らかく笑って、私を見つめた。 同性なのにドキドキするほど、彼女は綺麗だ。 「胡桃ちゃん、変わらないね」 「え、あぁ……」 そんな彼女に比べ私は変わらないのかと、ショックを受けたものの、暗い気持ちは隠して笑顔を装った。 「昔の綺麗なままだよ、すごい」 「え、なに言ってんの。蘭子ちゃんのほうがめちゃくちゃ綺麗じゃん」 だがまさかの褒め言葉に驚いた。それと同時に表情が緩む。 久しぶりに会った友人に褒められるのは、嬉しいものである。 ただひどく照れ臭い。 「えぇ、やだなぁもう。学年一美人だった胡桃ちゃんに言われても説得力ないよ」 「蘭子ちゃん褒めすぎだよ、そんな嘘は止めて……。そうだ、ミニブーケだったよね?」 褒められるのは嬉しいが、彼女は褒めすぎである。 恥ずかしいため、話を大きく変えた。 「うん、お願いします。全部ピンクにしてもらえる?お見舞い用なの」 「わかりました。匂いのきつくないものを選ぶね」 「ありがとう」 見舞い用は匂いのキツいものはNGだ。 私はそれを頭に入れつつキーパーを見つめた。
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