210人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、私は心配だった。
そのため｢みなみ……｣と、ため息混じりに彼女を呼んだ。
｢大丈夫よ。まだ好きなわけじゃないし。ちょっといいなぁ……って思うくらいで。それにちゃんと見極めるつもり｣
｢それならいいけど……｣
みなみの恋愛は、ほとんどが彼氏の浮気で終わる。
しっかりものの性格がダメな男をひきつけるのか、顔のよい男性は女好きだからなのか、恋愛経験があまりない私にはわからない。
そのため、心配である。
｢でももしね、彼と合コンすることになったら付き合ってくれる……？｣
｢えぇ……｣
あまり気は進まない。
今までに、彼女に付き合い合コンに参加することは数回あった。
しかし明らかに周りと温度差がある私は、誰かとどうにかなる、なんてことはこれまで一度もないこと。
もちろん店長が好きな私だから、そんな気もない。
｢お願い……！｣
みなみは私に手を合わせ頼む。
私はそこまでされると断りにくく、｢……一度だけね｣と許した。
｢やった｣
みなみはとても嬉しそう。
私は正直のところ、この日のことは話だけで終わると思っていた。
しかし、その日は数日後、突然にやってきた。
最初のコメントを投稿しよう！