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何を言っているのだろう……
私を好きだという人にカッコいいと言ってしまうなんて、どう捉えられるかわからない。
それに、恥ずかしい……
「ありがとう」
しかし、考えすぎなのか、優斗君は笑って私の頭の上に手を置き“よしよし”と、するように撫でて離れた。
「……はい」
なんだか照れてしまう。
「次は胡桃の番。おいで」
優斗君は私の手を引いてボールのある前方に誘うと、ボールを私に渡し、「これ、持ってみて」と、言った。
丸いツヤのあるボールは思ってたよりずっしりと重い。
「重い?」
優斗君は心配そうな瞳で私を見つめた。
「少し、でも大丈夫です」
「そう?じゃあ投げてみよっか」
「はい」
私は、彼が先ほど投げた場所に足を向ける。
すぐ横には優斗君もいる。
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