ラナンキュラス

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優君も私と同じように感じているのだろうか…… 聞いてみたいけど、聞けない。 ちらりと盗み見つめる先の彼の顔は、とても穏やかなものなので、彼もきっと同じ気持ちだといい。 私は、そう思っていた。 そんな、甘い雰囲気を割ったのは、彼のお腹の音だった。 部屋は二人きりで静かなため、その音が彼のものだとすぐにわかる。 「ごめん」 彼が少し気恥ずかしそうに謝ったため、私は「お腹、空きましたね……」と、口にした。 本当のところ、胸がいっぱいで、そこまで気が回っていない。だが、彼が申し訳なさそうに表情を歪めるから、合わせたのだ。 「うん」 「そういえば、朝は何か食べました?」 「いや……実は夜に食べたっきり……」 しかし彼の打ち明けた事実に驚き、私は慌て彼の腕から抜け出した。 長旅で疲れてる彼のことを、ちゃんと気遣うべきだったと、後悔さえする。 思わず素肌だったのを忘れ、上半身を起き上がらせてしまったほど。 だが途中でハッとし、シーツを自身の胸元に手繰り寄せたけれど、遅かった。 彼の視線が私が隠した場所に集中する。 もう見えていないのに、恥ずかしいため強くシーツを掴んでしまう。 しかも私は彼に、「あ、あの……昼食作ります」と言ったが、その声はひどくたどたどしくなる。 「あ、ありがとう……」 そのせいで、彼もなんだか恥ずかしそうな様子で答えた。
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