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それは少し遅すぎる経験かもしれないが、私ははじめてが優君でよかった。
はる君でもなく店長でもなく、彼で……
私を抱いたあと、彼は「ますます胡桃を好きになった」と言った。
それはまさに私の考えていたことと同じだ。
私たちは互いに素肌で抱き合っている状態だ。
たぶん、これがピロートークと呼ばれるものだろう。
ますます大人になった気がして、照れ臭い。
それでも彼の体温が温かくて落ち着く感じがしている。
「私も……です。恥ずかしかったですけど……」
「……それはよかった。俺も緊張してたから……」
優君は少し照れ臭そうに言った。
しかし彼は緊張しているようには私には少しも見えなかった。
私がいっぱいいっぱいだったせいだろうか。
だが彼を前にして、思い返すのは恥ずかしすぎて何も言えなくなる。
「……今までで一番嬉しいプレゼントだよ。ありがとう」
しかもさらに恥ずかしいことを言われて、私は「い、いえ……私ならいつでも」と早口で言った。
私がプレゼントということは、早く忘れて欲しい。
しかし嬉しいと言われているため、訂正できない。
「そんなこと言われたら、俺調子に乗りそうだよ」
「……え?」
「今まで我慢してたぶん、止まらなくなるかも……」
彼はそう言うと私の首筋に顔を埋めた。
私は彼の言葉の意味を考える。
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