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私は前ボタンのある七分丈のトップスを着ていたのだが、彼がボタンを外していく。
一つ一つボタンを丁寧に外され、はだけた自分の姿を彼に晒すのはとても緊張した。
触れられることはあっても、まじまじと見られることはこれまでない。
「胡桃寒くない?」
「大丈夫です……」
「ほんと?布団、被ろうか」
「え、あ、はい……」
ホテルの部屋の窓は大きく、光が差し込みベッドを明るくしている。
本当のところ寒いとは思ってはいなかったが、布団で素肌が隠したかったので頷いた。
優君は私を心配してくれているので少し申し訳なかったけれど、許して欲しい。
「身体、少し起こすね」
彼は私の下にある掛け布団をとるために、私の背と布団の間に腕を差し込んだ。
それから背に手を回し、身体を起こすと彼の膝の上に乗せられた。
その際私のバストと彼の身体が触れ、とても恥ずかしい。
一気に身体が熱くなる。
再び布団の中に彼に寝かせられると今度は「暑くない?大丈夫?」と尋ねられた。
明らかに私の体温は先ほどより熱い。
「大丈夫です……」
「ほんと?背中、痛くない?」
彼の手は私の背にまだ回っている。
「大丈夫です」
「ほんと?痛かったら言ってね」
私はゆっくりと首を縦に振った。
なんだか胸がいっぱいだった。
私よりも私のことを大切にしてくれる。優してくれる。
優君の私への想いが温かくて、泣きそうだった。
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