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それに優君は仕事が落ち着いたら、と言っていたのだから、私はだいぶ浮かれている。
それでも私がシンガポールへ行くためには、急には辞められないので、ちゃんと考えなければならない。
「できるだけ胡桃ちゃんと彼の休みが合うように協力するよ」
「わ、ありがとうございます」
私は慌てて頭を下げた。
治人さんはとてもいい人。
しかし、このことはとても相談できない。
今度みなみに相談してみようか……
だが、優君の仕事が一番なので、気が早すぎると、笑われるかもしれない。
先週まで彼との別れに悩んでいたのが嘘のよう。
すると治人さんが急に驚くことを言った。
「いつかは胡桃ちゃんも彼のところに行くんだろ?」「え……!」
今まさに考えていたことなので、目を丸くした。
「違うのか?」
治人さんが少しだけ首を傾げ尋ねた。
「ち、違いません……」
私が否定すると治人さんが苦笑する。
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