127人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
優君は「あ、うん」と言って、苦笑した。
「どれくらいのサイズのものを買ったんですか?」
「え、あぁ、まだ咲いてないよ。見せようか?」
「いいんですか?」
「いいよ、待ってて」
「はい」
優君が一瞬見えなくなったが、すぐに高さが100センチくらいの鉢を持ってきて、見せてくれた。
葉の広がりが70センチくらいだろうか。
思っていたより、大きい。
「色は黄色なんだ」
優君が柔らかい笑みを浮かべる。
それは、私の好きな色。
自然と顔が緩む。
私のことを想って選んでくれたようで、嬉しかった。
「そうなんですね」
「うん。でも本当にそうなのかな、葉だけしかついてないから不安だな」
彼の眉が下がる。優君の困り顔は好きだ。
密かに胸をときめかせながら「まったくわからないですもんね。でも大丈夫だと思いますよ」と言った。
「胡桃が言うなら間違いないかな」
「そんなことは……でもたぶん、はい」
私は苦笑した。
心で、もし違ったらごめんなさい、と言いながらだけど。
最初のコメントを投稿しよう!