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「出来たじゃん」
「え?」
公園の奥の方で足を止めて、海斗が静かに振り返って口を開く。
「自分の気持ち、相手に伝えることが出来たじゃん」
「あ……うん……」
「いつもは書き込むことしか出来ないのに」
「え……なんで知ってるの!?」
「だって、いつも見てたし、会話してたから」
「会話って……私達、別れてからまともに喋ってないよね?」
「直接的にはね」
海斗は手に持ったスマホを軽く振って見せた。
「もしかして……」
「俺には本音で話してくれるんでしょ?」
「ライク君!?」
驚きで声が裏返る。
「ビックリした?」
「当たり前でしょ!?」
怒る私をムシして、海斗は笑う。
(通りで私のことよく知ってるなって思ったけど……)
「俺さ、別れたことをずっと後悔してたんだ」
「後悔?」
「別に嫌いで別れた訳じゃなかったから」
「そう、なの?」
「うん、自信がなくなって……」
そう言って、私を指差して苦笑を浮かべた。
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