本音を隠したSNS

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「前に言ったろ、凪沙が何を考えてるかわからないって」  ズキッ、と胸が痛む。  私は何も言わずに、小さく頷いた。 「でも、俺も凪沙のことをわかろうとしてなかったんだなって……」 (違う……) 「それなのに、一方的に――」 「違うよっ!」  海斗の言葉を遮るように叫んで、一歩前に出る。 「私が……本音を言うのが怖かったから、言ったら嫌われると思ったから、言えなかっただけで……」  そうだ、嫌われるのが怖かったんだ。  嫌われるくらいなら言わない方がいいって思ってたんだ。だから、真夕に何か言われても、SNSに書き込むだけだった。 「俺も、訊いてあげれば良かったんだって思った」  伸ばしていた手がゆっくりと開き、指先が私の頬に触れる。 「ゆっくりでいいよ、どんなに時間がかかってもいいから」  海斗の手の甲に、掌を重ねた。 「凪沙の口から訊きたい、凪沙の気持ちを教えて――」 「うん……」  人を好きになるきっかけは、それぞれ違うと思う。
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