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「でも、達巳(たつみ)君のことよく知らないよ?」
「二年まで同じクラスで、今は隣のクラス。俺は凪沙(なぎさ)のことが好き。今はこれだけで良くない?」
「そうなんだ……」
「な、いいだろ? 相手のことなんて付き合ってから知っていけばいいだろ?」
そういうものなのかな? なんて思いながら、私は首を縦に振っていた。
『相手を知ってるの基準って何? 人を好きになる理由って何?』
達巳君が教室に戻って行くのを見届けて、私は早速呟いた。
また、ほとんどの人が反応するけど、言葉では反応してくれない。
(わかってたけど……)
学校では、人を好きになることを教えてくれない。性教育とかは教えてくれるのに……。
(あれって相手がいない人には、一番いらない授業……でも、今の私は彼氏が出来たから必要なのかな?)
漠然と彼氏というものを考えていると、スマホが震えた。
誰かが私の呟きに返事をしてくれたみたい。
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