本音を隠したSNS

3/14
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「でも、達巳(たつみ)君のことよく知らないよ?」 「二年まで同じクラスで、今は隣のクラス。俺は凪沙(なぎさ)のことが好き。今はこれだけで良くない?」 「そうなんだ……」 「な、いいだろ? 相手のことなんて付き合ってから知っていけばいいだろ?」  そういうものなのかな? なんて思いながら、私は首を縦に振っていた。 『相手を知ってるの基準って何? 人を好きになる理由って何?』  達巳君が教室に戻って行くのを見届けて、私は早速呟いた。  また、ほとんどの人が反応するけど、言葉では反応してくれない。 (わかってたけど……)  学校では、人を好きになることを教えてくれない。性教育とかは教えてくれるのに……。 (あれって相手がいない人には、一番いらない授業……でも、今の私は彼氏が出来たから必要なのかな?)  漠然と彼氏というものを考えていると、スマホが震えた。  誰かが私の呟きに返事をしてくれたみたい。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!