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――凪沙は俺のこと、どう思ってんの?
あの時の海斗の言葉が、ふと、蘇る。
思い出さないようにしていたのに……。
――何考えてるかわかんない。
何かを言ったことが一度もなかった。それなのに、わかって欲しいと思っていた。矛盾してるってことくらい、私にだってわかる。
でも、本音を言うのが怖かった。
(SNSだと言えるのに)
つくづくネット弁慶だなって思う。言いたい本人を目の前にすると、何も言えないのに。ネットの場合だと、不特定多数だし別に返事が欲しい訳じゃなかった。
(私は今、こんな問題にぶつかってるってのを知って欲しいだけだし……)
私って結構、面倒くさい性格してるんだな――。
★☆
「ねぇ、どこまでいったの?」
「……何が?」
「ヤダな~、わかってるくせに」
真夕の突然の質問に首を傾げると、小さな溜め息を吐かれた。
(いや、溜め息吐きたいのこっちなんだけど……)
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