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ノベルオタク
2Z1X年、東京。
「──ウた、ユウ太ったら!ちょっと!起きなさいよ!」
「…起きてる」
花澄の言葉に、ユウ太はカクンカクンと頭を揺らしながら応えた。
現在放課後。
ユウ太は帰り支度を済ませ、ノベル本を読みながら、花澄と共に家へと向かっていた。
「ユウ太、昨日も徹夜したわけ?」
花澄がそう問うと、ユウ太は本からパッと顔を上げ、目を輝かせた。
「うん。今回の椎名先生の新作『ゲーマーズボード』は史上最高傑作だった。特に主人公のカイが幼馴染でありライバルであり親友のミライを助けるために、己の命をも差し出そうとするところとかすっごく感動的で、あ、でも結局身代わりになったのは二人の担任教師である田中先生のお母さんの従兄弟のお孫さんだったんだけど、そのお孫さんが最後に言った言葉がもうかっこよくて…えっと、なんだったかな…」
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