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しばらくの間、雑談は続いた。先に食事を終えたユウ太と花澄は、花澄の部屋で話をして
いた。
「私ね、夢が…あったんだ」
花澄がそっと呟く。
「ね!聞きたい?」
目をキラキラさせて、花澄は言った。
「別に」
「ちょっとー!そこは〝聞きたい〟って言ってよー!」
頬を膨らませて怒る花澄だったが、結局喋りだした。
「あのね、私…さ、笑っちゃうかもだけど、歌手になりたかったんだ──…笑う?」
「うん。笑う。ちょーうけるー。まじ笑えるんですけどww」
「なッ何よ!別に本気じゃないし!冗談…だし!てゆーか〝ww〟やめろし!」
「僕だって冗談。そんなことで笑わない。あ…そろそろ僕帰るね。―夢、頑張れ」
ぎこちない笑顔をつくってユウ太がドアノブに手をかける。
「あはは、何言ってんの…。もう、無理でしょ」
「…」
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