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ユウ太達姉弟には両親がいない──正確には、“居なくなった”と言うべきなのだろう。あの日から。
それでも生活は安定している。
けっして裕福とよべるまでではないにしろ、理奈のバイトと、奨学金のおかげもあって姉弟3人ここまで生きてくることが出来た。
理奈は頭も良いが特に運動神経に優れていて、高校にはスポーツ特待生として入学した。
「ふぅ…」
風呂からあがり、自室に戻るとユウ太はそのままベッドへと倒れこんだ。
そしてゆっくりと瞼を閉じる。
ぬれた髪から頬を伝い流れ落ちる水滴が、なんだか妙に気持ちよかった。
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