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朧猫に憑かれた村を朧村(おぼろむら)と言うが、この朧村は品位が問われる。おごり高ぶりの末、品位を失ったコミュニティー。そこに自然発生してしまうダニの様な存在を、朧猫は嫌う。特に、ご老人、子供、動物に対する扱いが雑になると、村を祟るという行動に出る。
不漁不作を起こし、村の観光資源を枯渇させるといった自然現象を起こす事は序の口。、住民に、狐憑き或いは狂犬病に近い症状の病を流行らせ、蚤を潰すように一人一人取り殺す。はじめの内は、悪しき者を優先させて殺すのだが、それは徐々に歯止めが利かなくなり、善意の女子供老人までも祟り、村は古木のように枯れ落ちる。
村を失った朧猫は、朽ちた祠や苔むした首なし地蔵に床を構え、人が来るまで眠り続ける。廃墟探索や心霊探訪の際、子猫の声が聞こえた時には、ご注意を。
-完-
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