二章「二日目」

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 考えを巡らせている時だった。三葉の携帯が鳴った。  三葉が電話に出る。二、三度相づちを打って、表情を一変させた。 「え?」  目頭が赤くなった。そして、涙が溢れた。  一同が、三葉に注目する。 「どうしたんです?」  柴峰先生が訊いた。 「今、病院から連絡があって、八重乃が……」  嗚咽を何とか堪える。「八重乃の意識が戻ったって……」  それを聞いて、三人は信じられないといった顔で三葉を見た。  やがて、安堵したように柴峰先生は膝をついた。保谷も、肩の力を抜く。  雅弘は、武蔵の表情を伺った。武蔵は、天を仰いだまま動かない。  やがて、目尻から滴が垂れた。そして、震える吐息が響いた。
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